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□生かすも殺すも俺等次第
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夜の自室でシカマルがクスクスと笑っていた。
明かりといえば月明かりだけという中、その様は不気味に見えよう。
だが、シカマルの笑みは心の底から楽しそうで、手にした一枚の書類に眼を落としていた。
窓の外から室内を窺っていたナルトは、あまりに異様な光景だったにも関わらず、気にしないで部屋へと足を踏み入れた。

「シカ……、その笑いやめない?」
「これが笑わずにいられるかっつーの」

シカマルはナルトが来たことにも驚かず、持っていた書類を差し出す。と、訝しそうに首を傾げながらナルトは素直に受け取った。
内容はありきたりな任務書だったが、読み進めていく内にナルトの眉間は不機嫌そうに皺を作る。
そして、ナルトの口から出たのは盛大な溜息だった。

「なんでこれで笑ってんだよ」
「笑えねぇか?焉にシカマルの暗殺依頼だぞ。――中忍試験の結果が脅威だったんだろ。それに…………」

暗部総副隊長の焉として活躍するシカマルに自身の暗殺依頼が入ったと、何事もないようにあっさりと言う。が、シカマルは机に置いておいたもう一枚の紙をナルトに見せた。

「こっちは徨にナルトの暗殺依頼。今までの暗殺が失敗したからって里一番の忍に依頼してきたぜ」

上層部からの二人への依頼に、ナルトはもう一度深い溜息を吐いた。
馬鹿すぎる、と思う。
しかも、何の因果か二人とも依頼料は十万。
依頼主がご意見番となっているが、同じ人が依頼したのではないか?とさえ思える。

「で、この依頼――どうすんだ?」
「そりゃあもちろん、俺はお前を殺すつもりもないし、一人残して死ぬつもりもない」

「だから?」
「一緒に潰しに行かねぇか?この馬鹿共を……」
「しょうがないか。俺も里のために死んでやるつもりもないし、シカがいなくなってもつまんねーからな」

そう言うと、二人はニヤリとした不気味な笑みを浮かべ、夜の空に身を躍らせた。


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