仮面の軍勢・ぐだぐだ小説(短編)
□平子さんの誕生日
3ページ/3ページ
そして翌日、5月10日。
「何や皆、早いな。」
趣味に没頭していた平子が姿を現すと、すでに揃っていた7人は口々に言った。
「お、今日オマエ誕生日なんだってな真子。新作ゲーム終わったら貸してくれ。」
「ハッピーバースデー、真子。ボクにはCD貸して欲しいな。」
「めでてえな。そういや今日メシ当番だぞ真子。」
「おめでと〜真子!ごちそう作って〜!」
「しゃあないから祝ったるわハゲ真子。ウチは生クリームのケーキな!」
「また一つオッサンなったな真子。雑誌買うて来てや。」
「おめでとうございマス真子サン。コスプレお疲れ様デス!」
誰がどの言かは明記しないが、みんな本当に『とりあえず口だけ』であった。
「言葉の前後がほぼ噛み合ってへんけど…まあ…おおきに…。」
自身も忘れていたが平子は何となく空しさを覚えた。
頑張れ平子、いろいろ負けるな平子。
ハッピーバースデー!
【END】