仮面の軍勢・ぐだぐだ小説(短編)
□平子さんの誕生日
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ということは。
「あ、じゃ真子なんじゃねえ?」
この場に居ない平子を思い出したラブが言うと、ローズたちも同意する。
「だね。そういえば5月だった気がするよ。」
「そっか〜真子か〜。」
「判ってスッキリしたな。」
「これで安心して眠れマスね。」
「ヨカッタヨカッタ」と、みんな朗らかに笑う。
消去法で最後の最後に気付かれた哀れな平子だが誰も気にしない。
「さて寝るか」と切り替え早く解散しようとしたその時、いきなり白がごね出した。
「え〜?お祝いしようよお祝い!!ごちそう作ってさ〜!ね、拳西〜!」
これに便乗して美味しいもん食べたろうという魂胆が見え見えである。拳西は眉間のシワを更に数本追加した。
「何で名指しで俺なんだよ。オマエが作りゃ良いじゃねえか。」
「ケーキは生クリームのヤツがええな拳西!」
「ひよ里まで加わんな!」
自由人たちに拳西が頭痛を覚えていると、ラブがのんびり言った。
「つうかよ、今さら祝うような齢でもないだろ。仙人クラスじゃねえか。」
「第一ボクらのガラじゃないよね。真子も鳥肌もんだよ。」
ローズも苦笑する。しかしハッチは申し訳なさそうに言った。
「デモ気付いてて無視と言うのもチョット…。最近は真子サン、無理ある男子高校生にも扮して大変デシタし…。」
「ハッチって意外と辛口だね…。」
ローズは思いも寄らぬ所で仲間の新しい一面を発見した。
「仕方ねえ…。じゃ、とりあえず口だけでも祝うか。」
事の発端である拳西がまとめると、皆ぞんざいに賛同し御開きとなった。