ふわ

□一途と嘘
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いつもの彼の部屋、
いつものコンポから流れる
いつものノリのBGM。

さっき買って来た雑誌から顔を上げると、
そこには総悟の大きな瞳があった。


「昨日の夜、どこに行ってたんで?」

壁に掛けてある
学ランをちらと見る。
彼は学生、あたしは成人。

「あんな遅くに、つけてたの?」
「そんな事ぁしてやせん」

くす、と思わず笑みが零れた。
またやってる。

「何がおかしいんだよ」
「総悟は嘘吐くと、敬語になるから」
「…」
「あれは、ただの友達だよ」
「あんたは嘘吐くと、ピアスを触るだろ」
「…」

またやってしまった。

そんな悲しそうな瞳で
あたしを見つめないで。
そんな熱っぽい身体で
強く抱き締めないで。

またわざと
やってしまいそうになるから。

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