ビタチョコ小説
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『んっ……』
目が覚ますと、目の前には黄水晶の細長の眼をもった男の人がいた。
彼はグレイ=リングマークと名乗り、ここ「クローバーの国」の説明を丁寧にしてくれる。
そんな彼出会ったのも、もう数十時間帯も前の話。
なんとなく、この国の事も理解して住んでいる人達とも交流をもてた。
ただ、何故自分がこんな世界にいるのかは未だに分からない。
グレイ曰く「アリスに聞けば分かるかもしれないな」らしいのだけど……
どうやらその「アリス」という子は私よりも随分前に余所者としてハートの国に連れて来られた子という話。
その子は自らの「ゲーム」を進めて行き、自らこの国に残る事を決めたのだとか。
そんな彼女なら私が「自分の世界」へ帰る方法を知っているかもしれないのだが、どうやら私は運が悪いらしい。
何故かいくら探してもアリスには会えないでいた。
『はぁ…』
小さく漏れる溜息。
「起きて早々に溜息か」
その小さな溜息に低音の優しい声が反応した。
『気にしないで』
そう言って目の前の人物、グレイに笑いかけると「ならいいが…」と何か言いたげに返事を返される。
『不運さに溜息が漏れただけだから』
もう一度にっこりとほほ笑んで言うと優しく頭を撫でられる。
「大丈夫だ」
急に耳元に近づかれて囁かれる。
耳に当たる吐息に顔を赤くさせながら、少し感じる幸せ。
『けど、グレイに会えたのは幸運だったわ』
心からそう思える事に感謝しながら、グレイの優しさに甘えて、私はグレイに抱きついた。
不幸と共に幸運を
(君は本当に……)
(ん?何か言った?)
(いや…俺だって君と会えたのは幸運だ)
(ありがとうっ!!)
(まるで家族の様な温かさに)
(帰らなくても良いような気がする今日この頃です)
+++
さて、二か月以上お待たせしました!な第二話です。
ホント、申し訳ない;;
しかもやっと更新したのに甘くないというね!
今後はどうなるか僕にも分かりません←
しかーし!
あくまで切甘なので、きっと何かあるんだろうね!(他人任せな
気長に続きを待っていて下さい^^;
20100415