○NARUTO夢○

□口癖
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ふたりで作業を始めてから30分が経った頃、

ふと手を止めて名前は口を開いた。





『イルカ先生…』


「なんだい?」



名前の呼びかけに、イルカは手元から目を離さずに応えた。




『子供ってほんとにかわいいですよね〜w


 かわいすぎてかわいすぎて、

 あたしあの子たち(抱き)絞め殺しちゃいそうです〜ww』


「確かにかわいいけど、

 なんかそれはいろいろヤバイと思う、ぞ・・・」



名前の言葉に目線を移すと、

名前はうっとりと宙を見つめていた。


紅潮したその艶っぽい表情に、イルカは目が離せない。




しかしその表情は、曇っていった。




『あーぁ〜…

 ナルトくんとかシカマルくんとか、元気かなぁ〜・・・』


「その二人は特にお気に入りだったもんなぁ」


『そうなんですよぉ〜』




言いながら、名前は作業を再開した。



『だからあの子たち卒業しちゃってからあたし寂しくて寂しくて・・・!!


 カカシさんとアスマさんが憎たらしいです〜』


「ナルトなら元気よー」


『まぁ元気ならそれでいいんですけどね…』

「でもオレは憎たらしいのね」



『え・・・ぎゃあ!!

 カカシさん!!!?』


「ぎゃあってアナタね…」




振り向くとそこには

悲しげに眉を垂らしたカカシが立っていた。




「カカシさん今日はお休みですか?」


「そ。

 だから一人で残業してるはずの名前せんせーに会いに来たわけだけど…

 
 なんでイルカ先生までいるかなぁ・・・」




ふたりの間に散った火花に、

名前は気づくことはなかった。





『イルカ先生はあたしの仕事を手伝ってくださってるんです』

「・・ふぅん。

 そうそう名前、ナルトも先生元気かなって言ってたぞ」

『ほんとですか!?いやーんw

 もーナルトくんってほんっとにかわいいですよね〜!!

 ね、カカシさんもそう思いません!?』



ナルトの話に目をキラキラと輝かせる名前の勢いに、

少し押されるカカシ。



「そぉ?…どの辺が?」


『え〜まず小動物みたいだし、

“男のコ”!!って感じだし、

 
 …なによりあの喋り方がかわいいです!○○ってばよ!ってやつ!!』


「わかる!

 あいつはほんとにかわいいよなぁ!!」


「…教師が生徒ヒイキしちゃっていいのかなぁ〜?」



名前と、すぐに同調したイルカに

カカシは咎めるような、いたずらっ子のような目を向けた。



『うっ…!!

 と、とにかく、あの口癖聞く度にきゅんきゅんしちゃうんです!あたし』


「わかる!!わかるぞぉ!!!」



「へぇ〜・・・きゅんきゅん、ね・・」









窓の外は夕陽がすっかり沈んだ職員室で、

ふたりの興奮気味の話し声が響いていた。







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