○NARUTO夢○
□油断禁物
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『あっ!来た来た、シカマルくーん!』
「よぉ先生、用事ってなんだ?」
秋晴れの空の下
訓練所で腰掛けて待っていた名前は、待ち人であるシカマルの姿を認めると元気よく立ち上がった。
そして小走りに近づいていく
『ごめんねお休みのところ』
「めんどくせぇけど来てやったぜ…で、なんなんだよ?」
めんどくせぇと言いながらも実は満更でもないシカマルは、照れ臭そうに首筋を掻いた。
アカデミーを卒業してから会うことなんてめっきり減ってしまったので、
こうして休みの日に呼び出されて、実のところかなり嬉しいのだ。
『あのね、影真似の術を教えて欲しいの!』
「…は?」
『だめ、かなやっぱり…?』
「いや、だめっつーか…奈良家秘伝の術だし……無理っつった方が正しいな。」
『無理??』
「無理。」
『絶対?』
「絶対ェ。」
『どうしても!?』
「どーしても。」
『………そっかぁ』
肩をがっくりと落としてあからさまに落ち込んだ様子の名前は、ゆっくりとシカマルに背を向ける。
そしてぶつぶつと呟きだした
『そうだよね、うん…そうじゃないかなって思ったけど、一回やってみたかったんだ、影真似の術…。だってあれカッコイイし便利だし……でも仕方ないよね、秘伝だもん…あぁ、残念…あーあ……やってみたかったなぁ…一回だけで良いから……でも無理だもんね、絶対どうしても無理でダメなんだもんね…あーあ残念……』
「………はぁ」
シカマルは小さくなった哀愁漂う名前の背中にため息を落とした。
「………仕方ねぇな。
教えるのはやっぱり無理だけど、術をかけてやることならできるぜ。それでもよけりゃ――」
『ほんと!?!やったぁ!!
ありがとうシカマルくんっ!』
「うわっ、抱きつくなって!」
満面の笑みで飛び付いてきた名前に、シカマルは頬を赤らめた。
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