○NARUTO夢○

□もうひとつの記念日
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『美味しかったね!』


「おう」




食べ終わると立ちあがって、またすぐに台所へ向かおうとする名前。


そんな名前の腕を掴んで、オレは皿とフォークを乗せた盆をテーブルに戻す。




『シカマル…?』



何も言わずに黙って見つめれば、



『な、なにっ…?』



不安そうな顔で尋ねてくる。




「お前、今日変だぞ」


『そ、そんなことないよっ』




ふるふると首を横に振る。


…そうかよ、なら試してやる。




「じゃあ、洗いもんは後でいいから


 ここ、座れ。な?」



腕をつかんだまま、オレは名前をまた隣に座らせた。



そしてそのまま顔を近づける。






『…ッあああああのさ!!』


予想通り、慌てふためいて顔を逸らす名前。




最初からキスする“ふり”なつもりだったけど、

こうもあからさまに避けられると、



…なんかつれーな。







抱きしめようとしても、


ちょっと触れようとするだけでも、



そんなに嫌なのか…?



オレたちもう、トモダチじゃねぇんだろ?







「お前な…いい加減にしろよ」


『…シカマル…?』





腕を握る手に、無意識に力がこもる。



痛そうな顔してるのに、


離してやれない






「そんなに嫌かよ?オレに触れられんの」



『!!


 ちがっ…違うよ!!』




オレの手に名前のもう一方の手が触れる




『違うのっ…』


「じゃあ、なんで…」



恥ずかしそうに目を逸らした名前は、少し俯いた。





『だって…緊張して、どきどきして、自分でもどうしようもなくて…


 すごく恥ずかしいの…』



名前の腕を握っていたオレの手に入っていた力が


抜けていく




『シカマルが傍に居るってだけで


 こんなにここが苦しくて、



 どきどきして…どうしたらいいかわからなくなるの』




名前は胸のあたりを手で押さえて、小さな声で言った。






なんだ…



そういうことだったのか。






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