詩
□とある海のはなし
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足をついたそのときの波が怖くて
手前で引き返す
水族館みたいなただただアウェー
妄想に狂う？
せめてくじらになれたら…
ゆうゆうと泳ぎ出せる
何も抵抗も感じないくらい
すいすいと歩んでいける
暗い海の底までも
そっと足を伸ばして
吸い込まれたんじゃない
誰かに引っ張られた
そんな気がしたんだ
晴れたら
どこに行こうかなんて
誘い出す君が怖くて
それでも嬉しいような
悲しいような
楽しみなような
複雑化した電子信号に
頭がおかしくなりそうで
せめてくじらになれたら…
どんな大きな石だって
壁だってぶち壊して進めるでしょ？
笑ってないで届けてよ
暗い海の底までだって
君なら
ゆうゆうと泳ぎ出せる
何も抵抗も感じないくらい
すいすいと連れてってよ
君の笑顔と優しさ
全部集めて
暗い海の底まで
さらってってよ
灰色世界から
連れ去ってよ
置いてくものは
何もないから
人魚にはなれないけど
くじらなら
どうどうと泳げるでしょ？
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