しょーと*

□哀しくなどありません
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真っ青な空。
真っ赤な土。




そんな極端な色の間に
挟まれている俺の目に映るのは、
倒れていった仲間だったものと
醜い獣のような顔をした、
「天人」という生物。




見慣れた世界だ。

これが俺の日常風景、




悲しくはない。


先生が消えたその日から、
俺の目は何を見ても白と黒、
そして赤しか映さなくなったから。







そんな中俺の目は
新しいものをみつけた。



赤でも黒でも白でもない。




美しい桜の花、










──────────
──────……



「先生!桜の木がある!」

「本当ですね、なんと美しい。」

「でも先生、今はまだ春じゃないのに
どうしてこの桜は咲いてるの?」

「"狂い咲き"といって、
ごく稀に季節を間違えて
咲く花もあるんですよ。」

「ふうん」

「季節を間違えて独りきりで
花を咲かすことになっても
誇らしく咲いてる桜は
より一層美しいですね。」

「おっちょこちょいな桜だね」

「ふふ。あとで銀時たちにも
教えてあげましょう。」

「え゙ー、あいつらにも教えるのー?」

「はい。みんなでお花見でも
しようじゃありませんか」




───…きっとこの桜も喜ぶでしょう。






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