文のかき集め

□白昼夢
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【無駄をさがせ】


知らない学校。
若い男の教師が授業をしている。

僕は高校生であり、その教師のせいとであった。

みんなが一言もしゃべらない中、真面目そうな男子が一人不気味な笑みを浮かべながらしゃべる。

「先生、先生はこの前僕に
『この世の無駄なことを探してみろ』
と言いましたよね。ぼくは気づいたんです。人間こそまさに無駄な存在であると。

人間はほかの生物を無意味に残酷に殺したり周りの命をふんだんに使って生きているくせに、周りの命が住む場所を壊し、地球をいじめるただの害虫以下な存在なのではないでしょうか。

それだけでなく、人間はいつでも何かしら望むものを持って生きているのに、それが達成されることはとても少ないのです。なのに望みのために無駄な時間や労力や財産を使ってしまうのです。

だから人間は無駄です。」

しゃべりをやめたなと僕が思ったら、男子はどこからともなく表れたガソリンをその男子自身にかけて火をつけた。

「ぼく、もう、にんげんはいやです」

彼は燃えてしまった。

すると先生はこわばったような笑顔のような変な顔で叫んだ。

「あいつはまちがっている!今人間をやめたら周りやあいつがあいつにかけた時間や金や労力が無駄になっちゃうじゃないか!

あいつは本当に馬鹿だ!なあ、そうだろ?
そうなんだろ!?」

ぼくはもうその先生にもそこでファイティングポーズのような姿勢をしている黒くなった彼にもかかわりたくなかったので、だんまりを決め込んだのであった。
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