□拍手
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私には兄がいる。容姿はかっこいいほうに入るし、性格は明るい。友人も多いようだ。しかし、人間誰しも欠点があるわけで。



「忘れ物無い?てかスカート短っ!!超短っ!!そんなに太もも見せたら思春期の男共が発情しちゃ「あーうるさいうるさい。ちょい黙ってお兄ぃ。」
「だって…俺の可愛い妹に変なのがついたら困るさ!!」
「朝から何バカなこと言ってんの。早くしないと学校遅れるよ?」
「んー…わかったさー…。」


毎朝口うるさく色々言ってくるし、父親みたいなこと言うし、正直…


「ラビ兄ってうざい。」
「え!髪セットしてるだけなんだけど!」
「あ、ごめん。思ってることがつい…。」
「余計ひどい!」

いかんいかん、朝はぼーっとしてしまう。そうこうしてるうちに既に登校時間になっていることに気付く。


「やば!バス遅れる!んじゃ、行ってきます!」
「いってら…あああ!ちょい待ち!」
「ふえ?」


玄関で靴を履こうとすると、ラビ兄が走ってやってきた。

「何?急いでるんだけど!」
「はいはい。でもちょっと待つさ。」


肩に手をかけられ、ふいにほっぺに触れたのはラビ兄の唇。そしてニヤッと笑って一言。



「ご飯粒、ついてたさー。」




一瞬ぼーっとしたのち、
「あ………!てっ…手で取ってよ!!」
「んー?せっかく教えてあげたのにー。」
「…お、遅れるから!行ってきます!」
「はいはい、いってらっさーい。」


朝から心臓の音がうるさくて、それをごまかすように思い切り走った。


「なん…なの!」







顔良し。性格良し。極度のシスコン。私はそんなラビ兄が…









好きなのだ。








2010年3月、加筆・修正。
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