夢幻

□女将〜覚悟の上の地位〜
1ページ/6ページ


そんな顔しないで下さい

これは私が選んだ道ですから

大丈夫です

歩んで行けます

すべては覚悟の上なのですから…

















女将〜覚悟の上の地位〜

















もうすぐ軍議が始まる時間、蜀・呉きっての将達が続々と集まってくる。

その中には陸遜の姿もあった。


「蜀と顔をあわせるのは初めてだな、どうだ?」

「少し緊張しますね…」


そう言いながら少し目をそらす。


「また意中の君か」

「何を言うのです!」

「ハハ…冗談だ。」


半ば本気だが…
まぁ、前よりはマシだな


周瑜と陸遜のやりとりの最中、ある人物が近付いてきた。


『おはようございます、周瑜様、陸遜殿』


陸遜は聞き覚えのあるその声のする方へ勢いよく振り向いた。

声を発した人物を確認すると手に持っていた地図を落とす。


『ふふ…言ったでしょう?すぐ逢えるって』


声の主は陸遜が落とした地図を拾い、その手に持たせた。


「なんであなたがここに!?」

「なんだ?知り合いか?」

『はい、以前落とした結い紐を拾っていただいたんです』

「いや、だからなんで!?」


完全に混乱している陸遜を見て虞姫は微笑み、周瑜は不思議そうな顔をする。


「何を言っている?
名くらい知っているだろう?
彼女が“関” 虞姫だ」

「関…?」


関 虞姫と言えば関将軍のご息女の…?



虞姫をみれば絶えることのない微笑みが


「あなたは…将だったのですか?」

『一応…そうなりますかね』


陸遜は崩れ落ちるように床に膝をついた。



.
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ