恋わずらい

□君が僕を想ってくれるなら
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「この歌は切ないよなぁ。お前らにはまだこの気持ちわかんねぇだろ。え?」


からかうように話す先生に、クラスメートが四方八方からブーイングを飛ばす。


「あっちゃん、分かるしぃ、バカにしないでよぉ」
「淳樹〜。子供扱いすんなよー」

クラスの明るい子たちからの言葉に、周りがけらけらと笑った。


「おい、誰だ、今呼び捨てで呼んだのは!」

「はいはい、俺でーす」

「お前なぁ、そんなんだから先生が、教頭先生に怒られる羽目になるんだろうが」

「先生、怒られてんだ。笑える〜」


カッターシャツを腕まくりした先生が、教科書を片手で持って、威圧するように握りこぶしを上にあげた。


「お前ら、先生の威厳を返せ!」

「元々ない、でーす」


仲がいいのか、からかわれているのか、分からない先生が、メリハリはきっちりと授業を再開した。

そうすると、クラスメートたちはしんと静まり返る。

 
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