てにす

□今はまだ
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「お前生意気なんだよ!」


何故?


「ちょっとテニス出来るからって調子に乗るな!」


俺は人よりも努力しているつもりだが。妬んでないで君たちも努力したらどうなんだ。


「うるさい…!」


一番偉そうな男子が俺を睨み付ける。

…逆上させてしまったかな。
言葉で勝てないからといって手をあげるのはどうかと思う。
やれやれ、と溜め息をついた。

と、のんびり思考を巡らせている間にも相手は一歩一歩近づいていた。

まずい。


「ちょっと痛い目みりゃわかんだろ」


ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべ胸元を掴んだ。


「あぁ、みっともない」
「!?」
「君たちサイテーだね。こんなことしてる暇あったら練習すれば?」
「お前誰だよ!」
「聞く前に名乗りなよ」
「…ちっ、行くぞ!」


3人は舌打ちすると去って行った。


「全く…」
「あの」
「あ、怪我とかない?」
「あぁ、大丈夫だ。」
「しっかし女の子にまで手をあげようとするなんて信じられないよね」
「いや、俺は…」


男なんだが…
そう続けたのだが彼女は一人うんうん唸っていて聞いてないようだ。


「そうだ!これあげる」
「え?」


渡されたものは防犯ブザー。


「さっきのみたいのに絡まれたら鳴らしなよ。あなた、叫んだり助け求めたりしないからハラハラした」
「あ、あぁ…。色々考えていたから」
「これからは気を付けてね。じゃ!」
「あ、ありがとう」
「いーえ」


そう言い手を振ると行ってしまった。
あの子は誰だったんだろうか。
背格好からしておそらく同じ一年生だろう。

改めてお礼が言いたい。
それから性別の誤解も解かねば。

これからの事を考え小さく笑った。








こーいーしちゃったんだーたぶん気づいてなーいでしょー みたいな。
男前な女の子素敵。
そしておかっぱ柳の可愛さ。ごろんごろん!

思いつきで書いたから粗い。


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