てにす
□曖昧な距離
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二人が仲良くなったのはいつ頃だっただろうか。
記憶は定かではないが、新作のポッキーがきっかけだったと思う。
お菓子好きの私たちは、仲良くなるのに時間はかからなかった。自然と一緒にいることも増えていった。
そしてその関係は今も続いている。
「なまえー、駅前に出来たクレープ屋行かね?」
「行く行く!」
そう誘われたのは昼休み。そして今は待ちに待った放課後。
今日のテニス部の練習は休みのようだ。
「なまえ、早く行こうぜぃ」
「おうよ!」
美味しいと大評判のクレープ屋さん。
その道中、ブン太が口を開く。
「なぁ、なまえは彼氏作らねぇの?」
「あー、うん」
「何でだよぃ?」
「今はブン太と一緒にいるのが楽しいし。彼氏出来たらこんな風に遊べなくなるじゃん?」
ブン太こそ彼女は?と聞き返す。
「ああ、俺もお前と一緒」
「そっか」
「おう」
鈍くて気持ちに気づかない二人。
ブン太の誕生日が近いので書いてみた。