てにす
□占有
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頭の中の6割を占めるのは柳だ。
それを柳に伝えれば、ページを捲りかけの指がぴたりと止まり、視線が交わる。
「6割か。興味深い数字だ」
ふむ、と少し考える素振りをして再び私に向き直る。
「では残りの4割は?」
「んー残りは友達とか音楽とか勉強とか色々」
「ほぅ」
再び考える素振りをして、柳は口を開いた。
「気に入らないな」
「…へ?」
柳の言葉に思わず間抜けな声が出てしまった。
「なまえ…」
「ち、ちょちょ…!な、なに!」
壁側の席に座っていた私は柳に間を詰められ、あっけなく逃げ場を失う。
するりと頬を撫でる指が何とも厭らしい。
そして両頬を優しく包まれ、ずいっと顔を近付けられると顔が赤くなるのがわかった。
「なまえ」
「な、に?」
「今、何を考えている?」
意地悪な笑いを浮かべ、私へ問う。
ああ、なるほど。
「…柳のこと、考えてるよ」
「そうだろうな」
満足そうな笑みを一つ。
「お前が考えるのは俺だけでいい」
(柳は?)
(愚問だな)
私の頭は二次元でいっぱい(^p^)