てにす

□ストーカー?いいえ、恋人です。
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「柳先輩、おはようございます!今日も下着は黒なんですね。シックで大変先輩に似合っていると思います。でもたまには赤とかいかがですか?先輩なら何色でも」
「待て。何故お前が下着の色を知っている」
「あ、ちょっと先輩の生活覗かせていただきました」
「…カメラは全て除去した筈だが?」
「勿論新しいのを仕掛け…ヘブッ!」

ナイスパンチです!とはぁはぁしているコイツは2年のみょうじなまえ。
とても厄介なストーカーだ。

「酷い!彼女に向かって何てことを…!」
「あぁ、口に出ていたか。すまないな、俺の口は正直なようだ」
「え、私にだけ正直なんてやっぱり恋人は特別ってやつですね!」

誰がお前にだけ正直だと言った?
つっこむ気も失せたのでシカトして教室へ向かう。



コイツが付きまとうようになったのはおよそ3ヶ月前。
部活が終わり家に帰る途中、後ろから視線を感じた。しばらく様子を見ても、着いてくるのを止めないようなので注意しようとした。

「おい、お前」
「柳蓮二先輩」
「…何故名前を」
「当たり前です。未来の旦那様ですから」

お前は人間か?
どこの星からやって来たんだ。
怒らないから言ってみろ。

赤也に接するように優しく、且つ早口で捲し立てた。開眼するつもりはなかったが、無意識のうちに開いた。


「今日の下着の柄は?」
「もしもし警察ですか?変態が」
「彼女を変態呼ばわりとは…!」

実際変態以外の何者であるのか。
是非とも聞いてみたい所だ。



そんなこんなで奴は俺のストーカーとなった。
今では教科書やら筆記用具やら靴下が無くなることには慣れてしまった。
水泳の授業で忘れ物をして教室へ帰った時に俺のジャージの匂いを嗅いでいようともロッカーを漁られようとも驚きはしないだろう。
慣れとは恐ろしいものだ。

「柳先輩」

ニコニコしているときはろくなことがない。俺の全裸写真を撮ったとでも言いそうな顔だ。そんなことをした日には土に還してやろう。

「柳先輩って見た目によらずたくましいですね!上も下も」
「………」

奴は土に還した。
あぁ、何というエコロジー。
あんな変態ストーカーでも環境の為になるということが証明された。




(柳先輩!待受は止めて自分だけの永久保存版にしますから機嫌直してください!)
(今すぐ消せ)

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やっちまいました。
ごめんなさい、すいません。
私が土に還ります\(^o^)/


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