ほか

□風邪、引いたんだって?
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「38度4分…」


朝起きるとだるさと酷い頭痛に見舞われた。嫌な予感に体温を計ってみるとやはり熱がある。
どうやら風邪をひいたようだ。


「これくらいなら行ける、かな」


頬をパチンと叩くと目が醒めるような気がした。






「おはよう、なまえ」
「お、おはよ…」


玄関を開けると何故か祐希がいた。


「何でここに?」
「はい、戻って」
「え、ちょっ…!」


なにが何だか分からないまま自室に戻されベッドに寝かせられた。
早く行かなければ遅刻になってしまう。


「一体何なの…?」
「熱、あるんでしょ」
「…! 何で知って、」
「なまえのお母さんから連絡あった」
「もー、お母さんてば…」


ちょっと待ってて、というと祐希は部屋を出て一階へ行ってしまった。
仮にも私の家なんですけど…

数十分後、私の部屋に戻ってきた祐希が手にしていたのは薬とお粥。


「これ食べて薬飲みなよ」
「…食欲ない」
「祐希くんスペシャルですよ」
「…え?祐希が作ったの?」
「そうですが」


うそ…
あの祐希が私の為にお粥作ってくれるなんて…


「…じゃあ、少しだけ食べる」
「ん。はい、あーん」
「あー…っていやいやいや。自分で食べれるから」
「いや、定番だし。あーんして良い雰囲気になってアレにもつれ込むのが」
「まてーい!アレってなんだ、アレって!昼間から下ネタかよ!」
「いや、定番でしょう」


漫画の読みすぎ、と返すとお粥に口をつけた。


「…美味しい」
「そ。良かった」
「あれ、照れた?」
「照れてないから」
「うっそだー。祐希かわ、」


可愛い、という言葉はキスにのみ込まれた。


「食べたらちゃんと寝るんだよ」


小さく笑うと閉めドアを閉め学校へ行ってしまった。
この時間じゃ確実に遅刻だろう。


「今日の祐希優しかったなぁ」


ぼーっと先程の祐希を思い出していると携帯が震えた。


「ん?祐希からだ」



学校終わったら行くから、ちゃんと寝てるよーに。



祐希が気にかけてくれているのが嬉しくて、たまには風邪もいいかなーなんて。





誰これ状態。
ま、まぁ、風邪の時くらいね?(ね?ってなんだ)

title by 10mm


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