短編
□ある意味、骨の随まで
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「ひどいです、雷光さん!」
「おやおや、相変わらず俄雨は泣き虫さんだね」
ついに俄雨の涙腺は決壊し、わっと顔を覆って泣き出す。
それを見下ろす雷光は、性格の素直さとは裏腹な癖毛を掻き混ぜ、一応慰めているつもりのようだ。
普段から意地悪を言われたりされたるすると解っていながら、親を慕う子犬のようにまとわりついている。
あれはあれで二人は結構楽しんでいるのだろう。
あれは一種のコミュニケーション。
邪魔をするのは野暮、だから口出ししない。
誰だって馬に蹴られて死にたくない。
あの二人は、
ある意味、骨の随までSM