短編
□爆弾投下
1ﾍﾟｰｼﾞ/2ﾍﾟｰｼﾞ
最近、雷鳴が溜め息を吐くようになったと思う。
いつも明るく裏表のない彼女の変調を気遣った虹一は、二人になったタイミングを見計らって訳を聞いてみる事にした。
「雷鳴さん、最近どうかした？溜め息なんて吐いてさ…何か悩み事？」
「うん、まあね」
虹一の問いに雷鳴は曖昧に笑う。
「雷光さんと喧嘩でもした、とか？」
「あはは、違うよ」
「……僕で良ければ、力になるよ？」
その言葉に雷鳴は一瞬虚を突かれたように目を見開き、漸く笑みを見せた。
そして、何故だか己の呼吸を整えて。