短編

□どうすべきなのか、何もすべきではないのか
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ガードレールに貼られたシールを、雪見が短い爪で懸命に剥がそうとしている。

「先輩、そこはいいから他のところに行ってください」

それを見た雷光が咎めるが、雪見は「こういう小さい事を見逃すから治安が悪くなるんだよ」と反論した。
一応、筋は通っている。
雷光は言っても無駄と判断したように肩を竦め、雪見を俄雨に押しつけ、自分の持ち場へと踵を返していった。

何故、この砂浜でゴミを拾っているかというと。
奉仕活動をすると学校側から特別に奨励金がもらえるからだ。

最近、合宿とかで出費が嵩み続けて火の車状態だったので俄雨の提案で「一日奉仕活動を精を出そう」という事になったのだ。
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