短文部屋

□唯一の存在
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「いーち、にー、さーん…」


遠くで鬼が数を数える声が聞こえる。


「きゅうじゅうきゅー、ひゃーく  もういーかーい?」


もういいよーという声があちらこちらで聞こえる。


タッタと鬼が駆ける音が聞こえる。


「コロネロ見ーつけた♪」「ちっ、もうかよ、コラ」


筋肉バカはかくれんぼが…と言うより頭を使う遊びが苦手だ。


どんなバカでも、あいつを見つける事はできるだろう。


「ヴェルデ 見つけた…ってかお前隠れる気ないだろ!?」「もちろんだ」


ヴェルデは、あいつは隠れない。


日陰を覘くとすぐあやしいことをしている奴を見つける事ができる。


「ラルにルーチェ 見っけ」「ちっ」「あらあら」


この二人は、難易度はそこそこだろう。


ラルの感とルーチェの意外性が合わさり少し大変だ。


「風、見つけたー」「見つかってしまいました」


風は、何というか自然と一体となっていて判りにくい。


しかし、いつも木の上に隠れるので最近は見つけ易くなった。


「はいっ スカル発見」「見つかったか」


パシリはウゼェくせに、頭が切れる。


だけど、あくまでこいつはパシリだ。きちんと探せば見つかる。


「あっ!!マーモン見っ…っておーい マーモン起きてーーー」「うぅん、まだ寝させて」


バイバーを見つけるのは相当難しい。


ただでさえ幻術で姿を隠せるくせに、遊んでいる途中でさえ寝て、気配をほとんど感じさせないのだ。


俺でも苦労する。


「…まったく何でツナはこうも簡単に俺たちを見つけるんだ、コラ」


「えへへ〜」


「お前ズルしてないだろうな」


「してないよ〜失礼なっ!」


あいつらの中心にいる鬼、紅茶色の髪と同色の大きな瞳を持つ少年、ー綱吉は俺の双子の兄だ。


双子の片割れである俺とは似ても似つかないせいで、あいつはいつも俺を羨むが、俺にしてみればあいつが眩しくて仕方がない。


あいつは人を引き付ける何かを持っている。あいつの瞳越しに見る世界は、いつも輝いて見える。


そして何よりもー


「それよりも、後はやっぱり先輩が見つかっていないんですね」


「またですか」


ちなみに、俺様はかくれんぼをして誰かに見つかったことがない。


結局いつも、遊んでいるメンバー全員で探すことになるが、それでも見つからない。


皆に泣きつかれて初めて悠々と出て行く事にしている。


「さすがの綱吉さんにも彼を見つけるのは無理ですか?」


「えっ?リボーンなら、そこに…」


そう言ってツナがこちらに一直線に向かって来た。


…先の言葉を訂正。


俺はかくれんぼをして誰かに見つかったことがない、一人を除いて。


「はいっ リボーンも見ーつけた」


にこりと笑ってツナが俺の顔をのぞき込む。


俺はこの笑顔を見るといつも思うんだ。


あぁ、こいつにはかなわない…と。






「なぁ…」「うん?」


夕日に照らされた帰り道。


日にあたるとキラキラと黄金色にも見えるツナの輝く髪を見ながら尋ねた。


「なんで、お前には俺の居場所がすぐにバレるんだろうな」


独り言のように言った。


ツナは黙り込んだ。


やっぱり分からないよな。別に答えを期待していた訳ではないから気にしないけど。


そう思っているとポツリと何気なくツナが何かを呟いた。


もっとはっきりと聞きたくて聞き返したけど、ツナは「なんでもない」と言って笑うだけだった。


でも、そのとき微かにだけども、確かに俺には聞こえていた。


何年経とうが忘れられない大切な言葉ー


『俺たちは生まれたときから一緒なんだから、自分の片割れとはいつも惹かれあっているんじゃないかな』



あれから、数年後。


俺は親元から離れて暮らしていたせいで、あいつともしばらく会っていない。


久しぶりに会う俺の片割れは、少しは成長しているだろうか。


だけど、あいつはどんなに月日がたっても、


「リボーン見ーつけた」


こういうふうに俺を見て、誰よりもきれいに笑うんだ。


「やっと、見つけやがったか ツナ」



+++
…中途半端ですね、ハイ
どこがリボツナ?どこが双子?で何が言いたいの?
…と自分で言いたいです、うぅ

月姫サマ 遅くなった上に駄文でスミマセン
もっと修行しなきゃいけないと思いました…

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