Platinum Soul---プラチナのタマシイ---


□Platinum Soul
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奥州のとある城--
--伊達政宗の居城。

政宗が連れてきた少女は
人々に迎え入れられた。

記憶を無くした少女は
何も知らずに生きている。

新たな生活


----側にいる人間を違えて----
















「あの、政宗さん...」

「Ah..?あぁ、めぐか。どうした?」

「これっ.....こんなに頂いて良いのですか...?」


困惑した顔で政宗に駆け寄るめぐ。
庭先へ出ていた政宗は、彼女を見て器用に口笛を吹く。


「Hyu〜♪似合ってんじゃねェか。」


決して派手ではない、深く暗めの色の着物を身にまとっためぐ。
政宗がめぐをイメージして選んだという色。

淡く.....重たい色。

今のめぐはそんな空気なのだろうか.....
間違っても、あ の 彼 ならば選ばない色だろう。


「で、でも...私本当に何者か解らないのですよ..?
こんなに良くしてもらえる様な人間では.....ない、と...。」


哀しげに揺れる瞳。
思わずその白い頬に触れる。


「Be quiet.....お前は知らないかも知れねェが、俺は知ってる。
お前は旅芸人だ。横笛吹いて暮らしてた.....明智領で1度会っただけだがな。」



金の糸の様な髪を梳きながらめぐを見ると、彼女も茶色の瞳に政宗を映していた。
そして....







「....あ、ありがとうございます.....政宗さん...」









はにかんだ様に微笑んだ。
ここに来てから初めて...いや、出会ってから初めての笑顔に、政宗も口の端をつり上げた。







(俺だけを見てろ)
(俺だけを映せよ---------)
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