Platinum Soul---プラチナのタマシイ---


□Platinum Soul
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強引に馬に乗せられためぐ。
横抱きのままで酷く不安定かと思いきや、意外にも彼の細腕は筋肉があり、すっぽりとおさまってしまう程広かった。

「どこ行くの?」

馬の手綱を器用に操り走らせ始めた光秀に尋ねると、

「私の城ですよ。
そう遠くありません。」

と白髪をなびかせながら答えた。

「...あんたさ、自分の城の近くで血まみれになって何してんの....;;」

「....フフフフフ.....」

「(..ごまかしてんのか、この笑いは....)
...変態。」

---とは言ったものの、実は大変感謝しているのだ。
危険な奴なんだろうし変態だけれど、めぐを拾ってくれた。
あのまま山に置き去りにされていたら...間違いなく気が狂っていただろう。


「...ありがとね、拾ってくれて...///」


さすがにこの至近距離では顔を見れないけれど、めぐが呟いた時光秀の表情が少し緩んだ気がした。

「おや、めぐ....どうしたのです?顔を上げなさい。」←確信犯

「!?...な、なんか...なんか照れたっ...!!から寝るッ.....!!/////」

光秀の視線から逃れる様に彼の胸に額を押し付けた。
しかし、耳が赤くなっているのは隠せていない...

光秀がフ....と笑うのと同時に、抱き込む力が強くなった。

仄かに暖かい腕の中で、いつの間にかめぐは眠りについた------







"自分は未来から来た"


そう彼女は言った。
疑うより信じる方が早かった。
あまりにもめぐが正直なのはわかっていたし、何より彼女の衣服や荷物を見ていると、未来の物と思うにふさわしかったからである。


「色々と...厄介ですねぇ.....」


思わず口から漏れた言葉は誰の耳にもとまる事はない。
腕の中の少女が身じろぎした位だ。


(...なんと愛らしい...私のめぐ....)


死神は愛を覚えた。
愛を覚えた死神の笑みは禍禍しいものではなく、どこまでも優しく、柔らかい笑みであった。


(めぐを守りたい..私の優先順位で信長公の上を行く存在を、私は守りたい.....)



この光り輝く娘は
神の申し子-------
月の神子---------



(..これから先、おまえはより多くの者に慕われてゆく.....)


「あぁ....忙しくなりますね...ンフフフフフ.......」


光秀が一瞬にして黒い笑みに変えると、木々さえも恐れたようにピタリと固まっていたとか-------
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