Platinum Soul---プラチナのタマシイ---
□Platinum Soul
1ページ/3ページ
強引に馬に乗せられためぐ。
横抱きのままで酷く不安定かと思いきや、意外にも彼の細腕は筋肉があり、すっぽりとおさまってしまう程広かった。
「どこ行くの?」
馬の手綱を器用に操り走らせ始めた光秀に尋ねると、
「私の城ですよ。
そう遠くありません。」
と白髪をなびかせながら答えた。
「...あんたさ、自分の城の近くで血まみれになって何してんの....;;」
「....フフフフフ.....」
「(..ごまかしてんのか、この笑いは....)
...変態。」
---とは言ったものの、実は大変感謝しているのだ。
危険な奴なんだろうし変態だけれど、めぐを拾ってくれた。
あのまま山に置き去りにされていたら...間違いなく気が狂っていただろう。
「...ありがとね、拾ってくれて...///」
さすがにこの至近距離では顔を見れないけれど、めぐが呟いた時光秀の表情が少し緩んだ気がした。
「おや、めぐ....どうしたのです?顔を上げなさい。」←確信犯
「!?...な、なんか...なんか照れたっ...!!から寝るッ.....!!/////」
光秀の視線から逃れる様に彼の胸に額を押し付けた。
しかし、耳が赤くなっているのは隠せていない...
光秀がフ....と笑うのと同時に、抱き込む力が強くなった。
仄かに暖かい腕の中で、いつの間にかめぐは眠りについた------
"自分は未来から来た"
そう彼女は言った。
疑うより信じる方が早かった。
あまりにもめぐが正直なのはわかっていたし、何より彼女の衣服や荷物を見ていると、未来の物と思うにふさわしかったからである。
「色々と...厄介ですねぇ.....」
思わず口から漏れた言葉は誰の耳にもとまる事はない。
腕の中の少女が身じろぎした位だ。
(...なんと愛らしい...私のめぐ....)
死神は愛を覚えた。
愛を覚えた死神の笑みは禍禍しいものではなく、どこまでも優しく、柔らかい笑みであった。
(めぐを守りたい..私の優先順位で信長公の上を行く存在を、私は守りたい.....)
この光り輝く娘は
神の申し子-------
月の神子---------
(..これから先、おまえはより多くの者に慕われてゆく.....)
「あぁ....忙しくなりますね...ンフフフフフ.......」
光秀が一瞬にして黒い笑みに変えると、木々さえも恐れたようにピタリと固まっていたとか-------
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ