Platinum Soul---プラチナのタマシイ---


□※Platinum Soul
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その夜は静寂に包まれ、ただ1つ-----目を見張る程大きな満月だけが闇を照らしていた。




(金と白の交錯した色を愛おしいと思うようになったのは..いつからだろうか...)




光秀は独り酒を飲む手を止め、す...と考えるように目を細めた。
月見酒を好み始めたのも、思えば昔からでは無かった。




(....きっかけなど、わかりきっていますが..ね。)




「あれ、光秀?独り酒?」


「おや..噂をすれば、ですねぇ。」


「何が?」


不思議そうに首をひねる金髪金眼の娘-----月の神子-----

光秀が慈愛を持って接する唯一の人間。

彼を変えた、愛おしきおなご。



「調度おまえの事を考えていたところでしたよ。」


「セクハラですか--?」


「..せくはら、ではありませんよ...フフフフ..」


淡く(怪しく)微笑し、光秀は懐から何やら取り出した。


「うわぁ..すごい..!綺麗...これ、横笛?」


「えぇ。表面の彫り物が珍しかったので以前買ったのですが..」


「使わなかったのか、もったいないっ!こんなに綺麗なのに..」
横笛を手に取り月に掲げて見つめる横顔は、月の光を吸収してさらに輝きを強めていく。




(おまえは本当に美しい
私を照らし、浄化する
唯一無二の光....)




「..吹いても、良い..?」


「えぇ。構いません、ぜひ奏でて下さい...おまえの旋律を..」



光秀の真正面----月の光を背中に宿し、少女は静かに息を吹き込む----


甘く、柔らかで、それでいて真っ直ぐな.....人を包み込み、穏やかにする笛の音........

息をするのを忘れる程、その音に----彼女自身に魅せられてゆく....----




(おまえは....どこまで私を.....)



変わっていく
たった一人のおなごに
私は.......




「ど、どうだったっ....!?///」


緊張からか、頬が赤らんでいる。
いつもの明朗快活な彼女とは違う、どこか恐る恐る..といった上目使いは光秀の心をゆさぶった。
考えるより先に体が動き、その細い手首を掴み強く引く。




「おぁっ.....なっ何!?////」


「...その笛を差し上げます。....なので、また聴かせてください..」



おまえに包まれたい
甘く優しいおまえの音に
私を癒す、おまえの------



「..光秀だけ..特別、だからねっ..?///」



大人しく光秀の胸に顔を埋める少女の耳は、月の光によってはっきりと色を暴かれていて。

ますます深く腕に抱きこんだ。


「...狂ってしまいそうですよ.....」



おまえの柔らかさに
おまえの甘い香りに
おまえのかわいらしさに



彼女の全身に触れる光にさえ嫉妬する---------

狂って、彼女の肌に触れてしまいたい....

でも、それでは満足できない...




(おまえが私を選ぶまで)
(私はたえてみせます)
(私の理性が切れる前に)

(おまえの意思で)
(私に全てを委ねなさい---)




「...罪深い人ですねぇ...」


淡く男はわらった。
銀髪が優しい風に揺らめく------







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2010 0305→2010 0420

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