Original Novel
□無敵100%Darlin'!
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プールの授業が終わり、待ちに待ったお弁当の時間!
「ひ--な---ぁ!ご・は・ん☆」
「わかってるって、まったく....」
こんな変態な私になんやかんやで付き合ってくれて...陽菜ってば...
「...んもう、大好きだよおおぉおおお!!!!」
「キモいひっつくな!
ほら、さっさと中庭行くよ。」
「いだだだっ!髪引っ張っちゃイヤ---ぁ;;」
陽菜は女の子の中でも特に美人。
県内で5指に入る偏差値を誇る公立高校だけあって、ここにいる人達は皆頭が良い。
でもやっぱり陽菜は特に良い。
「陽菜はステキだよ!」
私の自慢の親友!
そう言って抱き着くと、全力で拒否されました.....
「あ--由乃、それ美味しそう!」
陽菜が指したのは、オムレツ。あぁ..と、箸でつまみ陽菜の口に入れる。
「うまっ!ヤバ..これ超すごい!中、何か入ってる?」
「明太子とのりとしそ入ってんの--。」
料理は、小さい頃お母さんに徹底的に仕込まれたからなぁ....
今では仕事でほとんどいない母に変わって私が家の家事全てやっている位だ。
お弁当も手作りなんだぞ--ぃ!
「料理誉められるとね、すっごく嬉しいっ!」
ウヘヘ...と笑うと、何故か頭をなでられた。
....こういうツンデレですかありですよ、俄然ありですよッ!?
思わず弁当を放り投げて陽菜に抱き着こうとした時、黄色い歓声が上がった。
「ぬ...!?何?」
「あぁ....ほらあそこ。
見えるじゃない..
"王子様"のお出ましよ..」
おうじさま、ね....
私は興味が無い。
何故なら女の子しか眼中に無いからだ。
正直王子様憎い←
自分ばっかチヤホヤされやがって....!!
この高校には"王子様"と呼ばれる美男子がいる。
彼の名は
来栖怜《クルス レイ》---
現生徒会長で、確か私達の隣の隣のクラスだった気がする。
天使のような微笑み、人あたりの良い態度、優しく温厚で成績優秀-----
いつでも爽やかな笑顔を浮かべている、線の細い.......まさに、"王子様".......
「ファンクラブまでいるんだっけ?」
遠くに見える彼のキラキラスマイルに目を細めつつ、私は呟いた------
「彼ってさ、胡散臭いよねぇ........?」