その他SS

□愚かしき指導者
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「ねえ、先生?」
なかなか答えない若月の近くまで来たヒトミ。
四つん這いになって、下から覗き込まれ、若月は理性の糸が切れた。
次の瞬間には、若月はヒトミの上に覆いかぶさっていた。

「せ、先生?」
頬を朱に染め、伏せ目がちに見つめてくる。
その様は、もはや誘っているとしか思えない。


「お前な、いいかげんにしろよ?いくらオレ様が教えたつっても、それをオレ様に向けるな……」
ヒトミの目が見開かれ、次には怒りを滲ませた顔になった。
「いいかげんにするのは先生の方です。何で気付かないんですか?感の良い先生ならすぐに気付くと思ったのに」
「何を……?」
何を言っているのだろう、この娘は。
「まだ分からないんですか?私、先生のことずっと好きだったんですよ?」
「……………」
若月は衝撃を受けた気分だった。
(オレ様が好きだって言ったか?)
「七夕だってバレンタインだって、アピールしてたのに……」
まだまだ話しそうなヒトミの顎を捕える。

何時からだろう?
この少女を女としてしか見られなくなってきたのは。
「先生?」
「少し、黙ってろ……」
そして、唇が触れる。

最初は軽く触れるだけのキス。
そしてヒトミの唇に舌を這わせ、そのまま隙間から入り、ヒトミのそれと絡ませる。
「・・・・・・せ・・・んせ・・・」
合間に聞こえるヒトミの声に、眩暈に似た心地よさを感じる。
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