V

□仮装パーティー
2ページ/3ページ




「やだやだやだ!俺さまこんな服着てパーティーなんて出られないっ!!」
必死でクローゼットの扉にしがみつくゼロスも何のその。
必死の彼をべりっと剥がしたリフィルとしいなは、ゼロスの着ている短いスカートをぴらりと捲った。

「うわぁ!//ななな…なにっ」
「男がぐずぐずするんじゃないよ。良いじゃないか、コレットとお揃いだよ?」
「俺さま男の子なんですけどっ!ていうかコレットちゃんのはもっと丈が長かったでしょ〜よっ!」
「仕方ないでしょう。この魔女の衣装、私達では似合わないのだから」
「似合う似合うっ!リフィル様もしいなも似合うから!!」

だから脱がせてと騒ぐゼロスに、しいなが「しつこいっ」と拳を入れた。
殴られた頭を擦りながら、魔女の格好をしたゼロスは半泣きでバスケットと箒を手に持つ。

「…ああもう、しいな、リフィル様」

ぐずっと鼻を啜って、諦めた様に溜息を吐く。
それから、使い慣れた笑みではなく満面の笑みを。

「Trick or treat?」

綺麗な発音でそう言った。
いっそ悪戯されてみたいと二人が思ったのは、内緒。


 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ