V

□仮装パーティー
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「…ゼロス?」
「…よ、ロイド君」

あんぐりと口を開けたのは狼の耳と尾をつけたロイド。
ゼロスは料理を刺したフォークの先を口にくわえて頬を紅潮させながら、ロイドを横目で睨んだ。
「ま…魔女?」
「っ笑いたきゃ笑え!どーせ似合わねえもん!つーか似合ってたらそれこそ立ち直れねえし…」
笑われる前にと一気にそう紡いでから、ゼロスは今日何度目かの溜息を吐いた。
料理を盛った皿を机に置いてから、横に立て掛けていた箒を手にとる。
それから、バスケットをかけた左手をロイドに差し出して。

「………Trick or treat」
「なに?」
「…お菓子をくれなきゃ、悪戯するぞ」

お決まりの言葉を。
そうするとロイドはにこにこと笑って。

「じゃー、悪戯が良いな、俺」

ゼロスの唇を指差した。
その意味を理解した彼は更に頬を紅くしてしまって。

「…お望み通りの悪戯はしませんよ、俺さまの狼君」

イタズラっぽく微笑んだ。



end.
顔に油性ペンで落書きとか…。
え、まじでちゅうしてくれねえの?
…我が儘。……獣。
狼だからな。
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