妖狐×僕SS
□妖狐×僕SS@−1
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私の命は
いつも、彼によって終わりを迎える
過去から今に至るまでに
何が起きたのかは
私も彼も覚えていない
なぜ、私たちが惹かれあうのかも
わからない
『蜻蛉!!母様からケーキもらったの!』
「明翠、走ったら転ぶぞ!!」
『平気っ!って、うわっ』
「危ないだろ!」
『えへへっ、ほら、ケーキ無事だよ!!』
転びかけた私を支えようとして、私の下敷きになった彼の上で
ケーキは無事だと笑う
「ふはははは、私を下敷きにしたまま笑うとは、さすが明翠だ!」
『あはははっ、さすが私!』
これが、10歳の時
この時は、これが最後だったと思う
次に会ったのは、私がこの命を終える時だった