PandoraHearts

□G
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おでこが痛い。
と思って目を開けたら、エリオットが私を覗き込んでいた・・・無駄に近いのはなぜだろう。
「起きろ、アホ」
『・・・・・んんーー』
背伸びをして、彼のほうを向く
『何で?』
「・・・別になんでもない」
『私、上で寝てたよね。』
「風が吹いたら下にいた」
『何それ』
「俺が聞きてぇよ」
『で、』
「?」
『どうしてここにいるの?』
時計を確認しても今は、授業中のはずだ。
『授業っ・・・・む。』
「それ以上、聞くなしゃべるな」
『むむむっ・・・んんん』
エリオットに口を押さえられ話すことが出来ない。何なんだこの男は
「手紙、あれ仕事だったのか?」
『んん』
「・・・・・怖くないのか?」
『んん・・・』
話せないことを抗議すればすぐに手は離れた
『怖くなんかない、慣れてるし。私は、負けるほど弱くない』
「俺もあと、何ヶ月かで・・・成人の儀だからな。」
『やっぱり、15歳からとかあるんだね。ナイトレイは、やっぱりそういうのが多いの?暗殺とかさ、裏で働くことが多いよね』
「・・・・・・・」
『ナイトレイを悪く言ってるわけじゃないよ。私だって、アラントっていったらさそっち系のイメージあるでしょ?おばあさまなんか裏番長のレッテル張られてるんだよね。』
「何だそれ」
『私も詳しく知らない・・・そんな強そうには見えないけど。ねぇ、エリオットも私と同じことするの?』
「・・・・わからねぇけど、パンドラに出入りするようになるのは間違いないだろうな。」
『・・・・・そうですか。なら、私は特待生ってことかな』
「何の話だ?」
『何でもないですよー』
「意味わかんねぇな。」
『エリオットがわからないよ。何でここにいるかも教えてくれないし、あの真面目なエリオット君が何で授業をこんなところでサボってるのかな?』
「うっせぇ」
『はぁ・・・そういうのをツンっていうんでしょ?レイちゃんが言ってた』
「・・・・」
『睨まないでよ。』
「お前こそ、少しはデレたどうなんだ?」
『何で、エリオットの前でデレなきゃいけないのよ。・・・弱み見せたら負けでしょう?』
「・・・・・少しは、女らしくしたらどうだ?」
『何で・・・?私は、これでいいと思ってる。今の生活を変えるつもりはない。どうせ仕事するなって話でしょう?もういいよ、セバスから何度も言われてる。』
機嫌が悪くなってきたのか表情が一段と動かなくなる。

「お前は、何を失くしたんだ?」
いきなりの質問にニーナの眉間にしわをつくる。
『・・・・・・・・・・なんでそんなこと言わなきゃいけないのよ。前にも言った、私に関わらないで。それ以上、踏み込んでこないでよ・・・』
さっと立ち上がって寮の方にニーナの背を見ながら軽く聞いてしまったことに反省する。
リーオにいつも言われてるのにな。

次の授業には出ようと教室の方へ歩き始めた


もうすぐ、この季節も終わる。
そろそろ走ると汗ばむようになってきた






大事なものは増やさない
自分の傷を増やしたくない
治らない傷はきっとこのまま残ってしまうから
体の傷は治っても

きっと、この記憶と傷は深く深く


鏡の前で自分を見て

笑え

と言っても私の顔は動かなかった
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