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□8 王の恋人
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〜溝〜
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国王の恋人が、若き錬金術師の娘だという噂がある。
二人が出会っ頃、彼は身分を隠して町を見回る楽隠居であり、彼女は錬金術士の卵兼小さなアトリエの店主だった。
偶然の出会いが、国王と国から潰されかけている店の店主を引き合わせた。
立場の違い。
二人の距離が近づいた今でも、それは消えない。
二人の間にあるのはその年齢差もさることながら、大きな身分の差。
最初から当の本人たちは気にもしてない小さな差。
それは彼女が王宮付錬金術士になった今も、二人が想いを確かめ合い恋人同士となった後も埋まらない溝だった。
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