遙か3

□禁断の檻 ★
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「獣(けだもの)が・・・」
冷ややかな低音が、小刻み動く小さな影をなじる。


離れた暗がりにいる将臣にも、何が行われているのかは、明らかだった。


知盛は、脇息にもたれ、長い脚を“へ”の字に曲げ、素っ気なく開げている。
脚の間の敦盛は、膝をつき、夢中で奉仕している。

愛のない、拷問にも近い行為を、将臣は、息を殺して見守る。


駄目だとわかっていても、もっと近くで見たい。
いつもと正反対の、淫らな敦盛の顔を、直接、見てみたい。


犯罪に手を染めるような独特の感覚と、鳴り響く鼓動が、少しずつ将臣を支配していく。
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