遙か1

□向こう側の向こう
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「申し訳ございません」

頼久が、ぐったりと俯せに横たわる永泉に声を掛ける。
が、いつになく激しい行為と快感に、永泉は気を飛ばしてしまっていた。

頼久は、水筒の水で手拭いを濡らし、愛しい身体をそっと清めていく。

(私は、何と言うことをしてしまったのだ)

華奢な体の至るところに散らした、頼久の所有と愛しさの証。互いの吹き出したもの。そして、局部から流れ出てくる自身の液。
何とも言えぬ、切なさと愛しさが溢れてくる。
突き付けられた現実に、自分を責めるしかない。

(私は、こんなにも尊く清らかな御方をっ!)

自然と、泪が溢れた。

(愚かな行いが、こうさせたのだ!)

眠ったままの愛しい人を、堪らず抱き締めた。
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