裏僕

□求愛★
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パジャマに着替えると、夕月には充分すぎる豪奢なベッドに、沈み込んだ。




窓の外は、月よりも星が目立つ。


「・・・ルカ」


まるでベッドに魔力があるみたいだ。
床につくと、自然とルカを見つめてしまう。












いつも、影のようについていてくれて、欲しい言葉を惜し気もなくくれる、特別な存在。
それだけでは語り尽くせない、ヒト。















「どうした、夕月」

譫言のように名前を呼んだだけなのに、振り返って返事をしてくれる。


「・・・星が、綺麗だね」
「ああ・・・」


夕月がゆっくり話し始めると、ルカがベッドに座る。
ベッドの軋む音が、夕月の胸奥に、甘い余韻を残してしまう。


「ルカは、休まないの?疲れてるでしょ?」
「・・・お前の寝顔を傍で見られるのも、悪くない」
「でも、横にならないと、疲れがとれないよ?」
「眠っている間に、お前に何かあったら、取り返しがつかない」
「もう、ルカは大袈裟なんだから。当分は、あちらも動けないだろうって、天白さんが言ってたよ」



夕月は、珍しく困った顔をしているルカを横目に、ベッドの際にずれて、スペースを作る。

「・・・夕月?」
「・・・一緒に寝よう、ルカ」
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