裏僕
□貴方にはかなわない★
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「夕月とする時って、アイツどうしてんの?」
「部屋の外にいるよ」
「例え儀式って言っても、他のヤツに自分の恋人抱かれんだぜ。・・・俺だったら、耐えらんねぇよ」
夕月に対しては、ツヴァイルト全員が、それぞれに特別な感情を持っている。
けれど、儀式はただの儀式。
することは、一般的に言うセックスと変わらない。
けれど、儀式は、恋人同士が愛し合うためのそれとは、名目が違う。
「今日は、確か、九十九だったか・・・」
「九十九は優しいから、夕月も、受け入れやすいだろうな」
焔椎真が言うように、自分の大事な人が、自分以外のヤツと肉体関係を作るなんて、耐えられない。
けれど、ツヴァイルトである限り逃げられない儀式。
私情を挟む隙など、ない。
「・・・愁生」
俺が考え込んでいる間に、焔椎真が真横にいた。
どうして、お前も思い詰めた顔、してるんだ。
「焔椎真」
「愁生。俺、お前を抱きたい」
「今はダメだ。明日の儀式が終わるまで、待て」
「・・・今、抱きたい」
俺だって、お前に貫かれるあの懐かしい感触が、今すぐにでも欲しいよ。
でも、儀式は、誰とも交わったことのない身体で臨まなくてはならない。
だから、あともう少しだけ、神の光との儀式が終わるまでは、我慢しないと・・・。