Allie
□名もなき招待状
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ある日、アリスの元に一通の手紙が送られてきた。
しかし、その手紙には明日の午後一時に指定の場所に来るように書かれているだけで、差出人の名前はない。
「何だろ…一応、リックさんとルイさんに聞いておいた方がいいかな」
アリスはその手紙を持ち、帽子屋の離れであるその家からリックとルイのいる帽子屋へと向かった。
二十歩と歩かずに着くそこは、この街唯一の帽子屋であるわりに少し小さめだが、レトロな感じでアリスは結構この店を気に入っている。
カランカラン
「こんにちはぁ」
「こんにちは、アリー」
ドアを開けると、ルイが作業台で帽子を作っているところだった。
「あ、ごめんなさい。今作業中でしたか」
「いいですよ、今仕上がったところなので。それより、どうかしましたか?」
今日はお手伝いの日ではないのに、とルイは首をかしげた。