戦国

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「ぐっすり眠ってるね。」
「うむ。」
「何日も食べることもできず、ひたすら逃げて来たんでしたよね。」
「そういっておったし、実際にお前も見たであろう。」
「そりゃ見ましたよ。」


寺で世話になったとき、ご飯を目の前に朔が顔を輝かせたのを。
食べてすぐに気分が悪そうにしていたのを。

そして何よりも、彼女の体中についた傷を。


「あんな痣と擦り傷だらけの女の体なんて、そうそう忘れられませんからね。」


近所の世話係の女に連れられて風呂に入った朔のことを監視していた佐助。

着物はボロボロだったし、なによりも脱いだその裸体を見たときに絶句した。

転んだ時にできたと思われる痣に擦り傷、木の枝でできたと思われる引っかき傷、さらにはなにか刃物でついたらしい切り傷。
そして痩せ細った体。
常に不安を宿している目。


「正直、死を覚悟しました。途中まではそんなことを思わなかった、けど、」
「蒼い炎、だな。」

蒼い炎を刀にほとばしらせてから、朔は人が変わったような戦い方だった。


「それと、戦い方が、なんていうか、独特で…。」

忍と武将を足したような戦い方だった。
忍よりも攻撃に重みがあり、武将よりも素早く、体術に優れている。

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