戦国

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はぁ、とため息ひとつ。
ちょっとだけ仕返しをしてもいいだろうかと口を開いた。

「で、いつまで朔様を抱きしめているんですか?」
「ぅ、あ、なっ、は、はれっ」


一気に赤くなって叫びだしそうになった主の口を手で塞ぐ。
いくらなんでもこんな至近距離で幸村の大声を浴びたら、彼女の鼓膜が破れるだろうし、なによりも敵襲だと思われかねない。


「(この子、キレたら手がつけらんないから、それだけは勘弁!!)」

フルフルと震えている幸村は、それでもそっと朔を布団に横たわせると、ものすごい早さで走っていった。

遠くから「叱って下され、お館様ぁぁああ!!」という声が聞こえた。


「ヤレヤレっと。」

身じろぎもせず寝ている少女に視線を向け、それから一瞬のうちにその場から消えた。


次に目を覚ました時に、彼女は自分を拒絶しないことを祈りながら。



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