戦国
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佐助と朔殿はずいぶんとなかよくなった。
それはもうこちらが驚くぐらいにだ。
そして、そんな状況を何故か喜べない自分がいる。
「何故だ……?」
むぅ、と一人眉をよせ思案する。
いくら考えてもわからないものはわからないのだ。
そして不可解なことはまだある。
「だーんな、今日も朔さんに会いに行かないわけ?」
「う、いや…その、」
佐助は朔殿に様付けはやめてほしいと言われたらしく、変えていた。
「別にあの時朔さんは寝てたんだし、気付いてないんだからさ、そんな気に病む必要は」
「破廉恥なっ!!」
カァァっと顔が赤くなるのがわかった。
なぜ自分があんなことをしたのか理解ができない。
(ね、寝ている女子におおお俺はなんてことをっ!!)
無抵抗な朔を抱きしめ、あまつさえ
(か、かかか髪をさ、触るなどと!!)
バクバクとうるさい心臓。
今までなら女子に近づくことなどありえなかったのにだ。
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