戦国

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久しぶりにあった幸村様は、何故か饅頭ののった皿を手に柱に寄り掛かるようにして立っていた。


不思議に思って声をかければ、胡弓を褒められた。
聞かれていたことはとても恥ずかしかったが、誉められたことはすごくうれしくて、温かな気持ちになった。

こちらの世界に来てからずっと嫌なことや怖いことだらけで、何を信じていいかわからなかった。


失礼なことをたくさんしてしまったけど、幸村様は変わらずに優しかった。
だから、何かを弾いてほしいと言われた時、あの曲を弾こうと思った。

祖父がよく弾いていた、私の好きな曲を。


伝え切れない感謝の意を届くようにと音にのせて。



柔らかな笑みを浮かべて幸村様はお礼を述べた。

太陽みたいな人だな、と思ったのは内緒だ。


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