戦国
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「某も、人から聞いたので、直接神谷の家の者から聞いたわけではござらぬ。だが、某の知っていることは朔殿に教えよう。」
「神谷の家は、特殊な一族なのでござる。」
幸村は静かに語った。
神谷一族の力を。
戦闘能力の高さを。
受け継がれる青い炎を。
「・・・・・・だから狙われてるのね。」
静かに言った朔の表情は、幸村にはそれがどんなことを意味しているのかが分からなかった。
朔は、おそろしいまでに静かな目をしていたのだから。
「・・・・・・怖くはござらぬのか?」
眉を八の字にしてきいてくる幸村。
朔は、自分の心がわからなかった。
怖いとは思っている。
だが、もう一つ気にかかることができてしまった。
気付いたら、さぁっと全身の血が引いた気がした。
「怖い・・・・・とは思うんだ。でも・・・・・。」
どうしてもわからないことができてしまった。
聞くことのできない問い。
祖父といる時間の長かった自分ですら知らなかった、神谷一族の秘密。
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