戦国

□28
1ページ/2ページ


「某も、人から聞いたので、直接神谷の家の者から聞いたわけではござらぬ。だが、某の知っていることは朔殿に教えよう。」


「神谷の家は、特殊な一族なのでござる。」


幸村は静かに語った。

神谷一族の力を。
戦闘能力の高さを。

受け継がれる青い炎を。


「・・・・・・だから狙われてるのね。」

静かに言った朔の表情は、幸村にはそれがどんなことを意味しているのかが分からなかった。
朔は、おそろしいまでに静かな目をしていたのだから。


「・・・・・・怖くはござらぬのか?」

眉を八の字にしてきいてくる幸村。

朔は、自分の心がわからなかった。
怖いとは思っている。
だが、もう一つ気にかかることができてしまった。


気付いたら、さぁっと全身の血が引いた気がした。

「怖い・・・・・とは思うんだ。でも・・・・・。」

どうしてもわからないことができてしまった。
聞くことのできない問い。

祖父といる時間の長かった自分ですら知らなかった、神谷一族の秘密。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ