深遠の絆
□3.処分
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翌日、私は二度目の呼び出しを受けていた。
今度は涅隊長の言動についても訊かれた。けれど、私には涅隊長が十二番隊に入れようとする理由は分からない。素直にその旨を伝えると、砕蜂隊長は昨日よりも難しい顔をする。どうやら更木隊長も涅隊長も二番隊からの呼び出しに応じなかったらしい。その真意は分からないままだ。
「青瀬。お前はやはり今回の件、容疑は否認するんだな?」
「はい。・・実は、涅隊長の話を聞いて十二番隊に異動させられるなら、認めて罰を受けた方がいいのかも、と思ったんですが・・。」
苦笑する私を見て、砕蜂隊長が顔を上げる。
「けれど十一番隊に入隊した時、更木隊長に言われたんです。俺を騙す事は許さない、って。」
「・・・。」
「だから、どんな結果になろうとも私は嘘はつきません。」
まっすぐに砕蜂隊長を見据える。すると私の前で初めて彼女の口角が上げられた。
「フン。成るほどな。」
「え?」
砕蜂隊長の意図が分からず、私は目を丸くする。すると後ろに控えていた大前田副隊長が一枚の書類を私の前に差し出した。
「これは?」
「山本総隊長からの委任状だ。」
「委任、状・・。」
書類に目を落す私に、その内容を説明してくれたのは砕蜂隊長だった。
「青瀬織に容疑がかかっているが、被害者と容疑者の間の意見は食い違っており、それ以前の二人に怨恨の線もない。つまりお前の容疑も晴らせていないが、警邏では罪を立証することも出来なかった。更木と涅のいざこざを収めるには今回の件をはっきりとさせる必要があるのだが、結論が出ないとなると他に手を打たざるを得ない。」
「・・・。」
私は黙って砕蜂隊長の言葉を待つ。他の手、というのがこの書類の事なのだろう。