君のいる夏

□君との帰り道
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 最近、泰虎の隣には綺麗な女の子がいる。

(あ、また・・・)

 瑞希は移動教室の途中、チャドの教室をさり気なく覗いて顔を曇らせた。柔らかな茶色の髪、目のパッチリした顔立ち、抜群のスタイル。ニコニコと笑ってチャドや一護達と話をしている彼らのクラスメイト。最近、チャドは彼女と一緒にいる事が多い。

 見ている事を気付かれないようにすぐ目を逸らし、瑞希は友人達と三組の前を通り過ぎた。

(格好悪いなぁ・・・)

 どこのクラスだって半分は女子なのだから、チャドに仲の良い子がいたっておかしくない。自分が束縛するタイプだとは思わないが、彼女と一緒にいる所を見る度胸が痛むのはごまかし様のない事実だった。
 もしかしたらそれは嫉妬ではなく劣等感なのかもしれない。

(綺麗な子だもんなぁ。)

 自分と彼女をつい比べてしまう。明るくて艶やかな髪。整った顔立ち。女の子から見ても魅力的な肢体。どこをとっても勝てる所なんか見当たらなくて、瑞希は深々と溜め息をついた。
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