story

□恋
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ちっ…また躯のやつあんな薄着でいやがる…
大会以来ずっとあんなカッコだ…
くそっ…なんかイライラする…















「――という訳で今日の報告は以上だ。」

「そうか、ご苦労―…ん?まて。」



ぱしっ



そう言って躯はここから立ち去ろうとするオレの腕を掴んできた



…ドキッ…



「な…何だ!?」


何、腕掴まれたくらいで動揺してんだオレ…


「ちょっと屈め」


そう躯に言われるままに屈んだが…

うわっっ…ちょっ…胸元が目の前に…っ

なんだかさらにドキドキしてきた。

何故だ?

初めて躯の裸を見たときは何とも思わなかったのに
何故今はちょっと胸元見たくらいでこんなに動揺しちまうんだオレは…

そう…昔躯とお互い裸の状態で意識を交わし合ったが…
今考えたらオレには「お前だけ…」とか言いながら、本当は他の奴とも同じことしてたんじゃ…!?


そんなことを考えてたらまたイライラしてきた…
と思っていたら、


「…ん、頭にちっちゃいゴミついてたぞ」


と、それを取り払い、オレの肩をポンっと押した。


今度は躯と向かい合わせの状態になって、オレは躯と目が合った。


整いすぎた顔の左半分…と焼け爛れた右側…


そう、初めて躯の素顔を見た時から、この目に何かを感じた。

サファイアのように透き通った目を見つめていると、
なんか、引き込まれるような、、ずっと見つめていたくなるような…


そうしていると、また何故だかドキドキしてきた



「…部屋に戻る」

「そうか?明日もちゃんとパトロールしろよ。じゃあな。」






オレは足早に躯の部屋を出た。

一刻も早くあの場を立ち去りたかった。

でないと、また、あのよくわからないモヤモヤとした気持ちが膨れ上がって
どうにかなってしまいそうだった。

でも、少し引き止めてくれることも期待していた。

ずっとそばにいていたい気もする…


一体オレはどうしてしまったのだろう


いつからこうなったのだろう…











部屋を出てもこのモヤモヤは消えてくれなかった。


いつか、このモヤモヤがいっぱいに膨れ上がって、消えてくれる日が来るのだろうか…


だが、、このモヤモヤが膨れ上がって破裂する日が来たら、オレはどうなってしまうのだろう…?




一体どうすればいいんだ!?





どうすれば―…














…なぜだろう…






何故だか…すごく…










心が 痛い…






End
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