story
□恥
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「雪菜―…!」
会議室の入口付近に
雪菜がいた。
何してるんだろう―…?
まさか会議には出ないだろうし…
あっ!
そうだ!
いいことを思いついた!
雪菜にこの跡を治してもらおう!
いつだったか、
前に雪菜と話したことがあった。
そのとき雪菜は氷女で
傷を癒す力があると言っていた。
この跡くらいすぐに消してくれるだろう。
それにこーゆーのに
疎そうだし…
「あら、躯さん。もう会議が始まりますよ。」
「ああ、、それより…雪菜はここでなにしてるんだ?」
「人間界の資料が欲しいと頼まれていて、先程渡したところです。あっ、これから会議頑張って下さい。では私はこれで―…」
「あ――!まてっくれ!ちょっと雪菜に頼みがあるんだ…」
「?なんですか?私がお役に立てるかどうか…」
「いや、お前にしか頼めないことだ。ちょっと…ここの痣を…治してほしいんだ…。で、出来るか?」
雪菜がこの跡が何なのか
わからないとわかっていても
なんだか少し恥ずかしくなった。
「はい、出来ますよ。痛むんですか?」
「いや…そうじゃねーが…、はっ恥ずかしいだろ?元国王が怪我―…というか、、まあ…負傷…してるなんてさぁ…」
「まあ…そんなこと気にされなくてもいいのに…。では、失礼します。」
そう言って雪菜はオレの首に手を当てた。
雪菜のあたたかい妖気が
オレの首周りを包む。
(氷女だから冷たいと思ってた)
なんかこの妖気の感じ…
やっぱ飛影に似てるなぁ
顔はこんなに違うのに。。
あ、でも口元なんかは
似てるかな。
「…はい、終わりましたよ」
「あ、ああ…すまない。助かった。」
ぼんやりとそんなことを
考えているうちに終わったようだ。
とりあえずオレはホッとした。
これで恥ずかしい思いを
しなくて済みそうだ。
雪菜がいてくれて
本当によかった。。
「じゃあオレは会議室いくよ。ホント…あ、ありがとな」
「どういたしまして。でも、ひどいですね。」
「え?」
「きっとわざとですわ。そこに跡をつけたの。意地悪なんですね、飛影さんは」
「はい!?!?!?」
「でわ、また」
そのあと結局一分遅刻した躯は
なぜ遅れたのかと
ニヤニヤしながら聞いてくる幽助や孤光達に辱められるのだった。
End.