story

□恥
2ページ/3ページ




「雪菜―…!」



会議室の入口付近に
雪菜がいた。

何してるんだろう―…?

まさか会議には出ないだろうし…









あっ!

そうだ!

いいことを思いついた!


雪菜にこの跡を治してもらおう!

いつだったか、
前に雪菜と話したことがあった。
そのとき雪菜は氷女で
傷を癒す力があると言っていた。

この跡くらいすぐに消してくれるだろう。

それにこーゆーのに
疎そうだし…






「あら、躯さん。もう会議が始まりますよ。」

「ああ、、それより…雪菜はここでなにしてるんだ?」

「人間界の資料が欲しいと頼まれていて、先程渡したところです。あっ、これから会議頑張って下さい。では私はこれで―…」

「あ――!まてっくれ!ちょっと雪菜に頼みがあるんだ…」

「?なんですか?私がお役に立てるかどうか…」

「いや、お前にしか頼めないことだ。ちょっと…ここの痣を…治してほしいんだ…。で、出来るか?」


雪菜がこの跡が何なのか
わからないとわかっていても
なんだか少し恥ずかしくなった。


「はい、出来ますよ。痛むんですか?」

「いや…そうじゃねーが…、はっ恥ずかしいだろ?元国王が怪我―…というか、、まあ…負傷…してるなんてさぁ…」

「まあ…そんなこと気にされなくてもいいのに…。では、失礼します。」


そう言って雪菜はオレの首に手を当てた。

雪菜のあたたかい妖気が
オレの首周りを包む。
(氷女だから冷たいと思ってた)

なんかこの妖気の感じ…
やっぱ飛影に似てるなぁ

顔はこんなに違うのに。。

あ、でも口元なんかは
似てるかな。



「…はい、終わりましたよ」

「あ、ああ…すまない。助かった。」


ぼんやりとそんなことを
考えているうちに終わったようだ。

とりあえずオレはホッとした。

これで恥ずかしい思いを
しなくて済みそうだ。

雪菜がいてくれて
本当によかった。。



「じゃあオレは会議室いくよ。ホント…あ、ありがとな」

「どういたしまして。でも、ひどいですね。」


「え?」



「きっとわざとですわ。そこに跡をつけたの。意地悪なんですね、飛影さんは」



「はい!?!?!?」



「でわ、また」















そのあと結局一分遅刻した躯は
なぜ遅れたのかと
ニヤニヤしながら聞いてくる幽助や孤光達に辱められるのだった。





End.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ