黒猫

□cat meets varia!
3ページ/7ページ


「はじめまして、黒猫さん?」

『注文してた武器です』



ふわり、黒猫は手元のトランクをゆったりと差し出す。

取引先の相手はにやりと唇を歪める。



「おい、受け取ってこい」

「はっ!」



リーダー格のような男が、下っ端に命令を下す。

そいつの手が素早くトランクに伸びる。



スッ



「………え」

『…お金、』



しかし、あと少しのところでトランクを渡さない。

直ぐさま立ち上るのは、双方の殺気。



『貰ってからじゃないと』

「……フッ、ハハハハハハ!」



急にリーダー格が笑う。

心底可笑しそうな様子で大口を開けて笑うものだから、なんだかこちらまで可笑しい気分になってくる。

黒猫のコートの下から覗く口が一文字に結ばれる。



「そんな法外な料金、出す訳無いだろう! お前ら、やれ」

「「「はいっ!」」」


『交渉、決裂です』



下っ端たちが何処からか拳銃を取り出す。

いかにも殺る気満々な感じで。




―――――銃声が、響いた。






「なんか、ヤバイ感じになってるわねぇ」

「フン、面白ぇじゃねえか。やらせとけ」

「見てくのかぁ?」

「……ウチに、武器職人は居ねぇからな」

「黒猫さん、スカウトするんですかー?」

「ししっ、アイツ次第っしょ? こんな所で死んでたら話になんねーし」



  
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ