黒猫
□黒猫の朝
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『……んー、どーしよ、コレ』
おはようございまーす。
本日の朝は諸事情により、ヴァリアーのアジトからお送りしております。
突然ですがここで問題。
ボクは今、身動きが取れません。
さぁ、どうしてでしょう?
ヒント、布団の中にいるからではありません目はぱっちり覚めています。
別に極度の低血圧でもありません。
はーい、それではアンサー。
『……何で二人とも、こんなにくっついてるの?』
右を向けばベル、左を向けばフラン。
あ、首動かすのもつらい…
二人の腕は、いったいどういうことなのかボクの体に絡み付いている。
…ところで、今何時?
体感的には8時はとっくに過ぎてると思うんだけど…
普段は早寝早起きなため、規則正しい生活習慣が身についているボクはもう起きたい。
だが、それはこの二人のせいでかなわない。
「すぅ…」「zzz…」
安らかな寝息がボクの耳にも届く。
ちょっとくすぐったい。
『…おーい、おーきーてー』
もぞもぞ布団の中で動いてみるも、動く気配はしない。
それどころか、ボクを拘束する腕の力が強まる一方だ。
『っちょ、何コレヘルプ』
どうしよう、本当にどうしよう。
手も足も出ないとはまさにこのことか。
そのまま、しばらくもぞもぞしていると。