黒猫

□暇とチョコと黒猫と
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『……ん、お菓子パーティー?』



明け方まで作業していたため寝不足ぎみの閉じかけた瞳をこすりつつ、携帯の画面を見つめる。

そこには起きたばかりにはやや眩しい、リア姉からのお菓子パーティーとやらのお誘いのメールが。



おぉー………

………なんて、素晴らしいものを企画してくれたんだ。


昨晩やっとたまりにたまっていた仕事を片付け終えた、というちょうど良いタイミングに!

ベルとかフランとかスクアーロも誘ってあるらしいから、今夜はみんなでわいわいできる!



『…お菓子買いにいこー』



外出時お決まりの黒猫コートを羽織り、リア姉に参加を知らせるメールを送りながら部屋の扉を開ける。

………と。



「…あ、おはようございまーす」

『ん、おはようフラン』



ばったり出掛けようとしているフランと出会った。

まぁ、部屋がこれだけ近かったら会うのは珍しくないよね。



「もしかしてのあも買い物ですかー?」

『あぁ、うん。フランも?』

「ご名答でーす」



なんなら一緒に行きましょうよー、とか言いながらでかいカエル帽子を揺らし隣に立つ。

……別にいいけどさ。 身長差にムカついてなんかないからね。

フランの問いに軽く頷き、黒猫フードを被り歩き出す。


………あれ、そういえばベルは?

まだ寝てるのかな…


後ろにやや気を配りつつ、フランと並んで歩き出す。

……眠い。あくび出てきた。



コートを広げながらのんびり歩き出すと、首元の鈴がチリリと涼やかな音をたてた。




________





「……あん?お菓子パーティー?」



寝起きの普段より跳ねた金髪を撫でつつ携帯を開くと、二、三時間前に届いたメールが。

王子がそんな下らないものに参加するわけないじゃん?

……あ、これのあもメンバーに入ってんだ。


前言撤回、参加しないわけない。



「……しししっ」



そしたら、のあの好きそうなもんいっぱい売ってる店行こ。

んでたくさん買って持って行ってやったら喜ぶかな、アイツ。

このお菓子パーティー、持ち寄りするみたいだし。


カードカード……

どこにやったっけ?

確か机の横辺りに……



「ししっ、待ってろよ。のあ」



眠気をまとう体を無理矢理に起こし、行動を始める。




  
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